糖尿病内科

糖尿病とは

糖尿病は、血液中のブドウ糖の数値(血糖値)が増えてしまう疾患です。
簡単に言うと血液がシロップ状態になってしまう病気です。シロップ漬けになると、血管が早く傷んでしまい全身の動脈硬化が進むので様々な合併症が起きてしまいます。
健康な人の血糖値は、常にほぼ一定の数値を1日中キープするようにできています。甘いジュースを飲んだりして一時的に上昇しても、140mg/dl未満の数値にコントロールされています。しかし、糖尿病を抱えている方は、膵臓から分泌されるインスリンの作り方や使い方がうまく働かないことが原因で高血糖状態になってしまいます。高血糖状態は、それを引き金に、たくさんの合併症を引き起こします。
糖尿病は大きく分けると、「1型糖尿病」、「2型糖尿病」、「妊娠糖尿病」、「その他の特定の機序・疾患による糖尿病」の4つに分類されます。
糖尿病は適切な治療・生活習慣を継続しないと、様々な合併症(神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化症など)の併発リスクが高まる疾患です。初期のころはあまり症状がありませんが、しっかり治療をすることが将来のために大切です。

分類

1型糖尿病

「1型糖尿病」は、インスリンがほとんどでなくなってしまう糖尿病です。ウイルス感染や自己免疫反応の異常により、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されてしまう糖尿病です。インスリンがでないので、注射でインスリンを補充しなければなりません。数は糖尿病患者さんの5%以下と患者数は少ない糖尿病です。

症状

  • 急に疲れやすくなる
  • 急にやせる
  • 頻尿
  • のどがとてもかわく

など

突然症状が現れるのが特徴です。

2型糖尿病

「2型糖尿病」は、糖尿病患者さんの90%以上と患者数の最も多い糖尿病です。インスリンの量が十分に分泌されない「インスリン分泌不全」とインスリンの効き目が十分作用しなくなってしまう「インスリン抵抗性」が原因です。多くの場合は40歳くらいを過ぎてから発症します。2型糖尿病になってしまう原因は様々ありますが、大きくは遺伝素因(ご家族の中に糖尿病患者がいる場合)と食生活などの環境因子の組み合わせが影響しています。暴飲暴食、運動不足、精神的ストレスなどは、糖尿病が発症しやすい環境要素です。
「糖」がつくので、甘いものを食べないから大丈夫とおっしゃる方もいますが、どちらかというと糖分のみでなく総合的なカロリーが多すぎると糖尿病になりやすくなります。

糖尿病が進むと・・・

  • 疲れやすい
  • 手足にしびれが出る、感覚が鈍くなる、チクチクする
  • 頻尿
  • 性機能の問題(ED)
  • 目が見えにくくなる
  • 切り傷などの傷が治りにくくなる
  • 感染しやすくなる
  • のどがとてもかわく

などの症状がでてきます。

治療は、適切な食事指導と運動、そして薬物療法です。お薬は、飲み薬と注射剤、インスリン治療があります。飲み薬は近年新しいタイプのものがたくさんでてきましたので、最新の治療を提供いたします。

糖尿病は特に、患者さんご自身のご協力がとても大切です。外来では糖尿病についてたくさんのことをお伝えします。ご自身で糖尿病に詳しくなると上手にコントロールができるようになります。
ぜひ「糖尿病マスター」になって、一緒に糖尿病コントロールをしていきましょう。

※このテーブルは横にスクロール出来ます。

種類 作用 効果の特徴 服用のタイミング 副作用

スルフォニル尿素薬(SU薬)

すい臓のβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を数時間促します。結果として血糖値を下げることが期待されます。 空腹時血糖を下げやすいという特徴があります(服用後、食事をとらない場合に低血糖を起こしてしまう可能性があります)。経口血糖降下薬のなかで、最もよく使用される薬とされています。
ただし、すい臓にインスリン分泌する機能がない場合は使用できません。
また、インスリン分泌を促し、ブドウ糖を効率よく使えるようになるため、体重増加が懸念されます。
なお、長期服用により効果の軽減があるとの見解もあります。
食前30分前、または食後 体重増加、低血糖

速効型インスリン分泌促進薬

SU薬と同様、すい臓のβ細胞に働きかけることでインスリンの分泌を促します。
SU薬の作用時間が数時間であることに対し、速効型インスリン分泌促進薬では短時間であるとされています。
食後血糖値の高い患者さんにお勧めしています。
服用後、30分以内に効果があらわれるため、食事をとらずに服用すること、低血糖を起こしてしまうこともあります。
食事開始の10分前以内(1日3回) 低血糖
ビグアナイド薬 肝臓で糖が作られることを抑えるとともに、筋肉などでのブドウ糖利用を促します。結果として血糖値の低下が期待されます。 SU薬と比較すると血糖値を低下させる力が弱いですが、体重が増加しにくいという特徴があります。
また、ビグアナイド薬のみを使用した治療では、低血糖を起こしにくいとされています。
食後 低血糖、胃腸障害、乳酸アシドーシス

チアゾリジン薬

脂肪や筋肉などでインスリンの効果を高め、血液中からブドウ糖の多く使われ、結果として血糖値を低下させることが期待されます。 インスリン抵抗性改善薬とも言われることもある低血糖を起こす可能性が低い薬です。
ただし、むくみや体重増加が見られることもあります。
食後 低血糖、むくみ、体重増加、肝障害

DPP-4阻害薬

食事とともに小腸から分泌され、インスリンの分泌を促すGLP-1というホルモンの働きを高めます。 小腸から分泌されるインクレチンというホルモンに作用する薬です。血糖値が高い時だけ作用し、インスリンの分泌を促します。一般的に、低血糖を起こしにくく、SU薬に見られるような体重増加が起こりにくいとされています。 1日1回 胃腸障害、低血糖

α- グルコシダーゼ阻害薬

小腸でのブドウ糖の分解、吸収を遅らせることで、食後の急激な血糖値の上昇を抑える効果が期待されます。 食前の血糖値はあまり高くないが、食後に血糖値が上がりやすい患者さんに適しています。
α- グルコシダーゼ阻害薬のみの使用では、低血糖を起こしにくいとされています。
ただし、場合によっては低血糖を起こすこともあり、低血糖を起こしたときにはブドウ糖の摂取が求められます。
食事の直前 低血糖、お腹の張り、おならの増加

SGLT2阻害薬

尿から糖分の排出を促進させることで、血糖を下げる効果が期待できます。 腎臓の近位尿細管でブドウ糖再吸収を抑制することで、尿から糖分の排出を促進させます。比較的新しい薬になります。また、服用することで体重減少が起こることもあることも特徴です。 1日1回(朝食前または朝食後) 尿路感染症、低血糖

妊娠糖尿病

「妊娠糖尿病」は、妊娠中に発見・発症する糖尿病です。妊娠中にしっかり管理することが赤ちゃんのためにもご自身のためにも大切です。妊娠後に初めて高血糖になり、分娩後は治るケースが多いのですが、中には完治せずに2型糖尿病へ移行する方も見られます。症状の重さは「1型糖尿病」「2型糖尿病」より軽い傾向にありますが、適切な治療を行うことが大切です。

その他の特定の機序・疾患による糖尿病

遺伝・他の疾患が原因で起きる糖尿病です。肝疾患や膵疾患、感染症、遺伝子異常、薬剤治療(ステロイドなど)などで引き起こされた糖尿病がこれに分類されます。

糖尿病にかかりやすい人

2型糖尿病にかかる原因は、「遺伝的要素」と「環境的要素」の2つです。

遺伝的要因

糖尿病そのものが遺伝することはありませんが、日本人は欧米人と比べてインスリンの分泌量が少ない傾向にあるため、糖尿病になりやすいです。
特に両親や兄弟、親戚の中に糖尿病患者がいる方は、そうでない方と比べ、糖尿病にかかりやすい傾向にあります。インスリン抵抗性(インスリンに対する反応が良くない体質)を受け継ぐと、糖尿病になるリスクが上昇しますので、ご家族に糖尿病の患者さんがいる場合は定期的な健康診断が大切となります。
また、糖尿病となった場合には早めにしっかりと治療することで将来の合併症を防ぐことができます。

環境的要因

暴飲暴食や肥満、運動不足、加齢、ストレスなどが原因で、発症する傾向があります。
特に日常における生活習慣は重要です。ご家族に糖尿病患者さんがいない方でも、不摂生な生活を続けることで発症するケースは多くあります。

糖尿病の三大合併症とは

糖尿病は適切な治療と生活習慣の改善を行わないと、血管がシロップ漬けの状態になり、ブドウ糖が血管を傷つけてしまいます。そうすると血管が固くなり、「動脈硬化」が進みます。血管は全身に張り巡らされているので、血管が傷むと、さまざまな合併症のリスクも上昇します。
糖尿病の代表的な合併症は、「しめじ」と「えのき」と覚えましょう。
細かい血管が障害されておこるのが、
「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」です。これら3つを合わせて、「糖尿病の三大合併症」と言います。頭文字をとって、「しめじ」(し:神経 め:眼 じ:腎臓)と覚えます。
太い動脈が障害されておこるのが
「壊疽(えそ:足などが腐ってしまうこと)」「脳梗塞」「虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)」です。頭文字をとって、「えのき」(え:壊疽 の:脳梗塞 き:虚血性心疾患)と覚えます。

糖尿病網膜症(目の合併症)

糖尿病は適切な治療と生活習慣の改善を行わないと、血管がシロップ漬けの状態になり、ブドウ糖が血管を傷つけてしまいます。そうすると血管が固くなり、「動脈硬化」が進みます。血管は全身に張り巡らされているので、血管が傷むと、さまざまな合併症のリスクも上昇します。
糖尿病の代表的な合併症は、「しめじ」と「えのき」と覚えましょう。
細かい血管が障害されておこるのが、
「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」です。これら3つを合わせて、「糖尿病の三大合併症」と言います。頭文字をとって、「しめじ」(し:神経 め:眼 じ:腎臓)と覚えます。
太い動脈が障害されておこるのが
「壊疽(えそ:足などが腐ってしまうこと)」「脳梗塞」「虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)」です。頭文字をとって、「えのき」(え:壊疽 の:脳梗塞 き:虚血性心疾患)と覚えます。

糖尿病性神経障害

手足の血管が障害されて、血行が悪くなるために神経に異常が起きてしびれなどがおきる疾患です。症状には個人差がありますが、「手足のしびれ・痛み」「やけどやケガに気づきにくい」「関節の変形」「こむらがえり」などが現れやすいなどの症状がでてきます。他にも「下痢・便秘」や「顔のゆがみ(顔面神経麻痺)」、「立ちくらみ(無自覚性低血糖)」、「ED(勃起不全)」、「排尿障害」「不整脈」など、症状は多岐にわたります。糖尿病をしっかりコントロールすることでこれらの合併症は防ぐことができます。

糖尿病性腎症

腎臓にある「腎糸球体(じんしきゅうたい)」は、血液を濾過(ろか)して尿を生成する役割を担っています。その腎糸球体にある毛細血管がダメージを負うことで、腎臓が悪くなり、尿を生成するのに支障をきたしてしまいます。糖尿病性腎症が進行して腎不全にかかると、血液透析が必要な身体になってしまいます。血液透析が必要になると、週に2~3回ほどは定期的に病院で透析を受ける必要があるので、日常生活の質(QOL)の低下を招きます。糖尿病性腎症は血液透析が必要になる原因の第1位で、患者数も毎年一万人ずつ増えています。QOLの低下を防ぐためにも定期的に健康診断や、血液検査を行いましょう。日頃の食事のことや運動のことなどお気軽に当院にご相談ください。

keyboard_arrow_up